甲状腺、乳腺の疾患に対する手術を担当しています。主な対象疾患は乳がん、甲状腺がん、甲状腺良性結節、バセドウ病などの甲状腺機能異常、副甲状腺腫瘍などです。当院は内分泌外科学会の認定施設であり、内分泌外科学会専門医・指導医、甲状腺学会専門医をリーダーとしたチーム医療を行なっています。できるだけ身体に負担の少ない治療を心がけています。
甲状腺がんはゆっくりと進行することが多いので、小さなものであれば手術をしないことも可能です。
ですが手術が必要かどうかの判断は難しので、まずは専門医により診断が必要です。誰もができれば手術は受けたくないと考えていると思います。当院では患者さんの希望に寄り添いながら、患者さんと一緒に相談し最適な治療を提案いたします。
甲状腺の手術は頚を切開するので、術後すぐは傷が目立ってしまいます。当院では、がんがそれほど大きくない場合には、頚部に切開を置かず、内視鏡を用いた手術を行うことが可能です(内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術施設基準・取得済み)。内視鏡下甲状腺手術では鎖骨下の小さな傷から手術をするため、衣服に傷が隠れることがメリットの一つです。
しばしば甲状腺がんは大きく進行し、頚や胸のリンパ節に転移したり、周りの気管や血管などの重要臓器に浸潤したりすることがあります。当院ではこのよう進行がんに対する血管や気管の合併切除再建を伴った高難度手術も行っています。
検診でみつかる甲状腺結節の多くは手術が不要なものですが、サイズが大きく周囲の臓器に悪影響を及ぼす可能性のあるもの、良性と悪性の鑑別が難しものに対しては手術をお勧めしています。
バセドウ病に対しては、はじめに飲み薬による治療や放射線治療などの手術以外の治療法をお勧めしています。それらの治療効果が乏しいとき、あるいは病状が深刻なときに手術を行います。バセドウ病に対しても内視鏡手術が可能な場合があります。
放射線科、緩和ケアチームと連携し診療ガイドラインに準拠した治療を行っています。また、外来化学療法を受ける患者さんに対しては医師と薬剤師の両者による診察を行い、安全ながん化学療法を行うことを心掛けています。
直近3年間甲状腺手術65例