病理診断科では、組織診断、術中迅速診断、細胞診、病理解剖を実施しています。組織診断は生検や手術で採取された臓器や組織を対象とし、細胞診では喀痰、胸腹水などに含まれる細胞を対象とした病理診断です。迅速診断では、手術中に直ちに組織診断を行い、手術術式の決定に寄与しています。病理解剖では、全身を詳細に検索することで、診断の確定、死因の解明、治療効果の判定などが行われます。
疾病によっては、組織診断により臨床診断が確定することもあるため、正しい病理診断を常に行うことが極めて重要です。その目的を達成するため、病理診断科では自動免疫染色装置の活用、蛍光抗体法の実施などを行っています。また近年、分子標的治療の適用決定のための病理検査も増加しつつあります。
さらに病理診断科では、院内で開催されている各種の臨床カンファレンスに参加し、診療精度の向上にも努めています。
現在、本院では2名の常勤病理専門医、細胞診専門医が診断業務に従事しています。
病理解剖検討会(CPC)
キャンサーボード
消化管カンファレンス
肝胆膵カンファレンス
呼吸器カンファレンス
婦人科腫瘍カンファレンス
乳腺腫瘍カンファレンス
初期研修で、病理診断科を選択することが可能です。
後期研修では、日本病理学会の病理専門医研修カリキュラムに基づき、病理専門医取得に向けた研修が行われます。
2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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組織診断 | 3,955 | 4,047 | 4,234 | 4,158 | 4,516 | 4,942 | 5,021 | 5,349 | 5,204 | 5,017 | 5,099 | 5,294 | 4,865 | 4,186 | 4,298 | 4,518 |
迅速診断 | 220 | 217 | 228 | 211 | 223 | 230 | 231 | 247 | 250 | 247 | 209 | 224 | 222 | 229 | 240 | 232 |
細胞診断 | 3,708 | 3,695 | 3,997 | 4,126 | 4,182 | 4,184 | 3,899 | 3,872 | 3,863 | 3,641 | 3,797 | 3,614 | 3,302 | 3,237 | 3,363 | 3,642 |
病理解剖 | 20 | 10 | 13 | 20 | 14 | 22 | 18 | 10 | 10 | 16 | 8 | 3 | 6 | 9 | 10 | 10 |
病理診断に用いられた病理標本は、保険医療機関及び保険医療担当規則(昭和32年4月10日)に規定される「診療に関する諸記録」と見なされますので、一定期間、病院で保管の義務を有します。すなわちカルテや画像情報と同様に扱うべきものです。特に、パラフィンブロックは採取ないし摘出された組織そのものであり、再生産できず、すべてが原本です。
病院に管理義務があり、患者さんやご家族の要請があっても返却の義務は負いませんが、正当な理由の記された依頼書によって特別に貸出しています。従って、輸送時には紛失を防ぐため、書留などの追跡可能な手段をとってください。使用後は必ず返却をお願い致します。
なお、貸出し期間は原則2週間です。