救命救急センターを併設していることより急性冠症候群(不安定狭心症および急性心筋梗塞),急性心不全や致死的不整脈のような緊急性が高い循環器疾患を中心に診療しております。また紹介患者さんを中心に虚血性心疾患,慢性心不全および不整脈疾患の早期診断および治療も行っております。
現在循環器内科のスタッフは,下記の9名です。またさらに初期研修医も1~2名が加わります。
外来は,月曜から金曜まで1~2診体制で行っております。令和2年度の1日の外来平均患者数は22.9人,新規患者数は月平均88.8人、紹介率は100%、逆紹介率は287%です。特に心臓CTを中心とした虚血性心疾患の早期診断および治療に力を入れております。また上室性や心室性頻拍症を中心に不整脈の早期診断と治療、心エコーでの心筋症や弁膜症の診断にも力を入れております。今後もさらに病診連携を進め,紹介患者および逆紹介患者を増やしていきたいと思っております。
入院は1日平均入院患者24.5人,平均在院日数8.1日で,新規患者数は月平均82.9人です。救急入院患者さんを中心に虚血性心疾患のカテーテルによる早期診断および治療,不整脈の診断、弁膜症や高血圧性心不全等の心不全の心エコーでの診断および治療、薬物的治療を行っております。さらに急性心筋梗塞の地域連携パスでの病診連携も進めております。今後も病診ならびに病病連携を進め、救急患者の速やかな受け入れと早期退院や転院を進めていきたいと存じます。
患者さんに安全な(Safe),迅速な(Speedy)そしてスマートな(Smart)医療を提供すること(Triple S)をモットーに治療を行っております。
特に救急医療に重点を置き,早期診断および治療を行い,紹介医の先生方へ早期退院と転医に心掛けております。
急性冠症候群を含めた虚血性心疾患,不整脈,高血圧症,心臓弁膜症,心筋症。さらにそれらに起因する急性ならびに慢性心不全,肺塞栓症。
放射線・中央検査部の協力により,非観血的検査法として心臓CT(256列の多列CT),心臓超音波検査,ホルター心電図(24時間心電図),心臓核医学検査およびトレッドミル運動負荷心電図を行っております。特に虚血性心疾患の診断と急性冠症候群の発症の予防等に非常に有用で、患者さんの負担も少ない非侵襲的な診断としての心臓CTはFFRCT(冠血流の低下をCTで判断できる)を2019年より導入し、2018年330例,2019年318例,2020年は316例と多くの症例を行っており、今後も積極的に行っていきたいと存じます。また心臓超音波検査も虚血性心疾患の補助診断とまた弁膜症,高血圧性心疾患および心不全の診断に積極的に施行しております。小児の心エコー例を含みますが、2018年は4513例,2019年4716例,2020年4637例の実績です。
観血的検査法としては冠動脈や心機能評価の心臓カテーテル検査と不整脈診断の電気生理学検査を行っております。心臓カテーテル検査では2018年1030例,2019年909例,2020年は880例を施行。電気生理学的検査は2018年は14例,2019年21例,2020年29例を行っております。
1年目より当科の特徴である救急治療を中心に急性冠症候群,心不全および不整脈の診断とプライマリーケアを身につけていただくために指導医と一緒に患者を診てもらいます。さらには入院した後も指導医の元に治療にも積極的に関わっていただきます。そして他科の先生とも連携しながら循環器疾患に併存する糖尿病,呼吸器疾患や慢性腎臓病の治療等も勉強していただき,循環器の全般的な疾患のみならず内科一般的な知識も身につけていただきます。また虚血性心疾患や不整脈の診断のための心臓カテーテル検査および電気生理学的検査にも入っていただき,さらにはカテーテル治療やペースメーカー治療にも実際に入っていただきます。また非観血的な検査で循環器疾患の診断に有用な心臓超音波検査もしっかり身につけていただくように実際やっていただいております。また抄読会や学会発表も行っていただき,さらに知識を確実に身につけていただきます。2年目からは冠動脈造影等の検査も自分自身で行っていただき,心不全等の治療も積極的に行っていただいております。
月,水,金の朝に病棟患者さんのカンファレンス。また火の夕に抄読会,症例検討会を行っています。
その他心臓超音波のカンファレンスも行っております。