皮膚は全身を覆うことにより外界の刺激から身を守る大きな器官です。年齢・性別を問わず、頭から足の先まで皮膚に生じる発疹やトラブルを診療いたします。頭髪、爪、粘膜(口唇・口腔や陰部など)も見える範囲で診察します。また、皮膚科の特性上、視診(発疹を観察して診断を行うこと)の比重が極めて大きく、将来的にはビデオなどを用いて遠隔医療、オンライン医療の構築にも貢献していきたいと考えています。
外来診察時間は月~金まで午前8:30から11:00まで(受付)となっております。
(午後は病棟回診、検査や手術、褥瘡回診、栄養サポートチーム回診などのため一般外来は診察しておりませんが、急患はこの限りではありません。)
他科同様、かかりつけ医からの紹介患者さまを優先的に診させていただいております。
当院ではより症状の重い皮膚疾患を中心に診療を行っております。必要に応じて血液検査、画像検査、病理組織学的検査などを行い、その結果をもとに診断・治療を進めていきます。難治な乾癬やアトピー性皮膚炎などでは生物学的製剤や免疫調節薬なども導入しております。また救急病院・急性期病院である性質上、皮膚軟部組織感染症、重症薬疹、水疱症、熱傷などの疾患も重点的に診療しています。なお専門的な手術(腫瘍の広範囲な切除や再建、植皮術など)が必要な場合には形成外科に依頼し、協力して診療にあたっています。
皮膚科全般、多岐にわたり診察しております。
★現在のところ美容皮膚科は扱っておりません。
将来どの診療科を選ばれても、皮膚の観察抜きでは診察はできません。またこれからの高齢化社会において褥瘡をはじめ 様々なスキントラブルに対応できる知識・手技を習得することは必要です。この卒後臨床研修では皮膚科学の基礎(発疹学、診断学)を学び、また実際に褥瘡回 診や手術・救急の場に立ち会ってもらって生きた皮膚科学を経験することを目標とします。
それぞれ病院にはそれぞれの特徴があります。この県立中央病院でしかみられない疾患は山ほどあります。興味を持った方はぜひ選択してみてください。
年間500~600件のコンサルテーション依頼を受け、褥瘡、薬疹、近年多い抗がん剤投与による皮膚障害、その他皮膚トラブルなどについて診療しております。
疾患名 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
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細菌感染症 | ||||
蜂窩織炎 | 25 | 19 | 18 | 41 |
敗血症 | 5 | 5 | 3 | 3 |
丹毒 | 1 | 0 | 1 | 0 |
壊死性筋膜炎 ガス壊疽 | 1 | 1 | 3 | 1 |
ウイルス感染症 | ||||
帯状疱疹 | 11 | 1 | 3 | 10 |
水痘 | 1 | 0 | 0 | 0 |
リケッチア感染症 | 1 | 0 | 1 | 0 |
薬疹 | 5 | 8 | 2 | 5 |
水疱症 | 5 | 3 | 6 | 2 |
紅斑・紅皮症 | 2 | 2 | 2 | 6 |
皮膚悪性腫瘍 | 2 | 0 | 2 | 1 |
血管炎 | 1 | 1 | 2 | 0 |
壊疽性膿皮症 | 1 | 2 | 0 | 1 |
化膿性汗腺炎 | 1 | 0 | 0 | 0 |
熱傷 | 8 | 5 | 2 | 5 |
マムシ咬傷 | 8 | 3 | 4 | 8 |
アナフィラキシー | 5 | 9 | 9 | 3 |
糖尿病性潰瘍 | 0 | 2 | 2 | 0 |
その他 | 5 | 4 | 3 | 9 |
計 | 88 | 65 | 63 | 95 |