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集中治療室(ICU)に入室する患者さんは、大手術や合併症のある術後患者、院内急変患者、外傷・中毒患者、内科系救急疾患患者など多岐にわたります。しかし、どの患者さんも重症化に伴い呼吸や循環、神経などに問題をかかえています。集中治療科は、このような複数の臓器に問題のある重症患者の診療を専門としています。
当院では、2019年より集中治療科専門医1名が常勤となり、徳島大学病院からの応援医師とともに集中治療の充実を図ってきました。2025年4月現在、常勤4名(集中治療科専門医 1名、取得予定 1名、専攻医 2名)、応援医師3名、麻酔科と兼任の医師 1名、救急科専攻医 1名、非常勤医師 2名がICU診療を担っています。
当院ICUは、集中治療科が全てのICU入室患者の診療に携わり、主担当科や関係する診療科と連携しながら診療する”Mandatory Critical Care Consultation”という方針を採用しています。
集中治療は、呼吸、循環、消化器、腎臓、中枢神経系などの臓器システムが急性かつ重篤な機能不全に陥った患者に対し、様々なモニタリングと臓器サポートを行いながら原疾患に対する治療を行います。
このような診療には、多職種が連携したチーム医療が欠かせません。当院では毎朝、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、臨床工学技士による多職種カンファレンスを行い、方針を決定しています。また、各診療科の医師とも連携を密にして、それぞれの専門性を尊重しあいながら、質の高い集中治療を提供することを心がけています。
重症患者に対する集中治療の最終目標は社会や日常生活への復帰です。生命予後の改善だけではなく、心身ともに元気になって社会や家庭へ帰っていただくことを目標としています。このため徳島県立中央病院ICUでは、ICU入室中の患者のみを対象とするのではなく、院内迅速対応システム(Rapid Response System; RRS)、ICU看護師による病棟ラウンド(Critical Care Outreach Team; CCOT)、集中治療後症候群(Post Intensive Care Syndrome; PICS)対策など、ICU入室前あるいは退室後の患者を対象とした活動も行っています。
一方、考えられる全ての集中治療を行っても尚、救命し得ない、あるいは本人の目標とする状態まで回復しない患者も存在します。そのような患者に対しても、人生の最終段階をよりその人らしく豊かに過ごしていただくよう、緊急ACP(advance care planning)、期間を決めた積極的治療(Time limited trial)、緩和的抜管などの倫理的な内容を協議する多職種カンファレンス等の取り組みを行っています。
徳島県立中央病院ICUは2025年5月に改修を終え、新たなICUとしてスタートした10床(現在運用は8床)のユニットです。入室患者の約6割が救命救急センターからの入室であり、それ以外に大手術後、院内急変患者を受け入れています。
診療報酬上の施設基準は、これまで「特定集中治療室管理料3」を届出しておりました。新ICU移転後に「管理料1」の届出を目指しています。
2025年4月現在、当院は
日本集中治療医学会認定専門医研修施設
日本専門医機構認定集中治療科専門医研修施設
です。
集中治療を志す方、興味のある方は、ぜひ一度見学に来てください。
連絡窓口(総務担当):kenshu@tph.gr.jp