当院では、PET検査の薬(FDG)をデリバリーしてもらいながら運用しています。
ほとんどのがん細胞は正常細胞の3~6倍近く、糖分(グルコース)を多く取り込む性質があります。
PETはこの性質を利用した検査で、放射線の出る薬にグルコースを合わせたもの(FDG)を静脈注射します。
この後、1時間ほどで薬が全身に行き渡り、特にがん細胞により多く取り込まれますのでこの状態をPET-CTで撮影すると、どの場所にどのくらいの大きさのがんが存在するのかが分かるようになります。
また、CTも同時に撮影しますので、CT画像と照らし合わせながら病気の場所と状態を把握することが可能となります。
実際の検査時間は30分程度ですが、検査室内に入室してから退出するまで約2時間半くらいかかります(検査説明、更衣、血糖値測定、待機、検査、回復時間を含みます)。
また当院では、呼吸の呼気相(息を吐いた時)に合わせた画像を作ることができる、呼吸同期システムを搭載しています。
これにより、呼吸をしながら呼吸を止めたようなブレの少ない画像を撮影することができ、より診断価値の高い画像を提供することが可能となります。
ただし、すべての撮影に呼吸同期システムは利用していませんのでご了承ください。
呼吸同期システムで撮影した画像と非同期の画像の比較
ガンマ線という放射線を放出する薬(放射性医薬品:RI)を静脈注射し、検査用のベッドの上に20~30分くらい横になっている間に、専用のカメラ(ガンマカメラ)で体の中の様子を画像にする検査です。
静脈から注射する他に、薬によってはカプセルを飲んでいただくものもあります。
検査によっては、その日に終わるものから2~3日かかる検査まであります。
SPECT検査画像
さらに、SPECT検査においては、各種解析ソフトを利用し、診断の補助となるデータを多数提供しています。
MRI画像を用いた早期アルツハイマー型認知症の診断補助ソフトも使用しています。
(※男性ホルモンの分泌を抑える治療を実施しても病状が悪化する前立腺がんのこと)
塩化ラジウム(ラジウム-223)には、アルファ線と呼ばれる放射線を出す「ラジウム-223」という放射性物質が含まれています。
このラジウム-223には、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があり、注射で体内に送られると、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。そして、そこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞を攻撃します。
こうした作用によって、骨転移した去勢抵抗性前立腺がんに対して治療効果が期待できます。
塩化ラジウム(ラジウム-223)は、4週間ごとに1回、静脈注射で投与します。最大6回の注射を受けたら、塩化ラジウム(ラジウム-223)による治療は終了です。
放射性ヨウ素内用療法では、放射性ヨウ素のひとつであるヨウ素-131というアイソトープの入ったカプセルを飲んで、甲状腺の病気を治療します。
放射性ヨウ素内用療法は、体内に吸収された放射性ヨウ素の60%以上が甲状腺細胞に取り込まれるという性質を利用した治療法です。
甲状腺に集まった放射性ヨウ素は放射線を発し、甲状腺ホルモンをつくる細胞を徐々に破壊していきます。
バセドウ病では、甲状腺ホルモンをつくる細胞が少なくなり、甲状腺の働きが正常になっていきます。
甲状腺がんでは、がん細胞を破壊し、転移したがんも破壊します。