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診療科・部門

放射線治療

放射線治療について

エネルギーの高い放射線を病巣部に照射することにより、がんの縮小や消失を期待する治療法です。放射線治療は、手術・抗がん剤と並ぶがん治療の三本柱として重要視されています。がんそのものを治すことを目的とした根治治療から、腫瘍による圧迫や腫瘍からの出血、痛み等の症状を和らげる緩和治療まで放射線治療は幅広い役割を担っています。

当院の放射線治療装置

Clinac iX
CLINAC iX(米国 Varian Medical Systems社製)
TrueBeam
TrueBeam(米国 Varian Medical Systems社製)

当院の放射線治療の特徴

HyperArc:最新の定位放射線治療技術

HyperArc

脳腫瘍に対する定位放射線治療(ピンポイント照射)の照射技術の一つで、四国で初めて当院が導入しました。治療部位が多数ある場合、従来は1か所ずつ照射していましたが、HyperArcでは複数箇所に照射することができ、腫瘍に対して従来よりも集中的に放射線を照射することが可能で、治療時間の短縮も望めます。

強度変調放射線治療(IMRT):高精度放射線治療技術

IMRT

強度変調放射線治療は、病巣の形状に合わせて、従来よりも高精度な放射線の投与を可能にする高精度放射線治療技術です。当院では約50%の症例に対してVMATと呼ばれる回転型IMRTを実施しており、短時間での治療や治療効果の向上、副作用の低減に努めています。現在は、脳腫瘍、肺がん、前立腺がんなどに対してIMRTを用いた治療を実施しています。

AlignRT:光学式患者ポジショニングシステム

AlignRT

当院では中四国初となる体表面位置照合システムを導入しています。このシステムは、赤外線を使用して体表面の動きを監視することができるシステムで、被ばくを伴うことなく治療中に身体の動きを正確にモニタリングすることで、治療中の安全性を向上できます。また、被ばくを伴わず体表面での位置照合を行うことができるため、治療時間の短縮やマーカーレスを実現できる可能性を秘めたシステムです。

放射線治療の長所・短所

  • 長所
    • 放射線では正常組織を残して治療できるため、臓器の形や働きを温存できます。
    • 身体の負担が比較的少なく、外来通院での治療も可能です。
  • 短所
    • がんの種類・病巣の進展範囲によって放射線の効きやすさに違いがあります。
    • 治療期間が1~2か月と長くなる場合があります。
    • 放射線が当たる範囲の正常組織には副作用が出る可能性があります。

放射線治療の流れ

放射線治療の流れ
  • 1. 治療方法の選択・説明
    • 放射線治療担当医より放射線治療についての説明があります。
    • 具体的な放射線治療の方法や、1回の線量、回数や治療スケジュール、副作用などについての説明をさせていただきます。
  • 2. 治療計画のためのCT撮影
    • 治療する体位を保持しやすいように、固定具を作成・選択させていただきます。
    • 実際の放射線治療と同じ体位でCTを撮影します。
    • 撮影時にマジックなどのマーカーを用いて、身体にマーキングを行う場合があります。
  • 3. 放射線治療計画
    • 撮影したCTを用いて、放射線治療のシミュレーションを専用のコンピュータ上で行います。
  • 4. 放射線治療の開始
    • 治療台の上でX線写真などを撮影することで、治療位置が適切であるかどうか確認し、治療を行います。
    • 初回の治療にかかる時間は20~30分ほどで、日々の治療は15分ほどです。