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入札・工事情報

経営計画等

病院局について

平成26年度

当局において、先に定期監察を実施し、1月26日、次のとおり病院事業管理者に報告いたしました。

定期監察の趣旨

定期監察は,職員の不祥事の発生を未然に防止することを目的に調査を行い,服務管理の状況やコンプライアンスの取組を把握・分析し,その監察結果を各所属にフィードバックすることで,コンプライアンスの取組を形骸化させることなく,適正な職務管理などにつなげることを目指して,毎年度ごとにテーマを決めて,定期的に実施する監察である。
(※特定個人の非違行為等の有無について,個別に監察するものではない。)

定期監察テーマ及び選択理由

  1. 定期監察テーマ
    • 「互いに気づきあえる職場環境の醸成」に向けて
  2. 選定理由
    • 各所属におけるコンプライアンス推進の取組などの「服務管理」に加え,相互チェックが機能し,職員間の倫理面や服務面について,職場内で互いに気づきあえる職場環境となっているかについて監察を行うこととした。

定期監察の概要

  1. 監察対象所属
    • 中央病院
  2. 実施時期
    • 平成26年9月から平成27年1月まで
  3. 監察従事者
    • 徳島県病院局監察統括監及び徳島県監察局(病院局総務課併任)職員
  4. 監察の視点
    • 今回の定期監察テーマの選定理由を踏まえ,次の5つの視点から監察を実施した。
  1. コンプライアンス基本方針は徹底されているか。
    1. コンプライアンス研修等にどのように取り組んでいるか。
    2. コンプライアンス意識は向上しているか。
  2. 倫理条例等は遵守されているか。また,情報管理は適正に実施されているか。
    1. 倫理条例に関する研修等にどのように取り組んでいるか。
    2. 「利害関係者」の概念は正しく理解されているか。
    3. 報告・届出のルールは浸透しているか。
    4. セキュリティは守られているか
  3. 業務上の誤りの発生を未然に防げる体制となっているか。
    1. 発生した業務上の誤りについて,その原因を把握しているか。
    2. 業務上の誤りについて,その改善策の検討がなされているか。
  4. 互いに気づきあえる職場環境となっているか。
    1. 職場内のコミュニケーションはどのように図られているか。
    2. 「報告(ホウ)・連絡(レン)・相談(ソウ)」は適切になされているか。
  5. 臨時職員・非常勤職員についてコンプライアンスの取組はなされているか。
    1. 臨時職員等の業務の管理は,組織として適正になされているか。
    2. 情報の取扱いは適正になされているか。

監察手順

(1)アンケート調査

平成26年9月に,監察対象所属の職員を次のとおり区分し,調査を行った。

  • 事務局長,医療局長,薬剤局長,医療技術局長,看護局長,医療局次長,医療技術局次長,看護局次長及び事務局次長(以下「局長等職員」という。)
  • 医療局各科部長,医療技術企画員,薬剤科長,放射線技術科長,検査技術科長,放射線技術科長,臨床工学科長,各病棟・各室看護師長及び事務局各担当を総括する職員(以下「科長等職員」という。)
  • 局長等職員及び科長等職員を除く職員(以下「一般職員」という。)
  • 臨時職員及び非常勤職員(以下「臨時職員等」という。)

アンケート調査は,平成25年4月から平成26年9月を対象期間とし,設問の選択肢を選ぶ方法で行った。(資料編「アンケート調査の概要」を参照)

調査回答者数及び回答率は,次のとおりである。
局長等職員対象者 17人のうち 回答者 17人(回答率 100%)
科長等職員対象者 48人のうち 回答者 48人(回答率 100%)
一般職員対象者 511人のうち 回答者 511人(回答率 100%)
臨時職員等対象者 174人のうち 回答者 174人(回答率 100%)

合計 対象者 750人のうち 回答者 750人(回答率 100%)

(2)現地調査
アンケート調査の結果を踏まえ,平成26年11月に,監察対象所属を訪問し,局長等職員,科長等職員,一般職員及び臨時職員等から抽出した職員について,個別に面談し,各所属における「服務管理」の取組状況等について聴き取り調査を行った。

監察結果

監察の視点から

(1)コンプライアンス基本方針は徹底されているか。

研修未受講者への指導の徹底を

病院局では,平成23年2月に職員が起こした収賄事件を受け,平成23年4月に「病院局不祥事根絶策」を策定し,毎月22日を「コンプライアンスの日」と定め,病院局2課及び県立3病院の各所属において研修会や会議を開催するなど,組織を挙げて不祥事根絶に向け取り組んでいる。

今年度においては,「『きずな』で高めるコンプライアンス(きずな・コンプラ)」をテーマに,家庭との信頼・連携による取組を新たに加え,職員自らのコンプライアンス目標と職員の家族がメッセージを記入した「私とあなたのコンプライアンス宣言」カードを常時携帯する取組や,家庭版の「コンプライアンスガイド」を職員の家庭に配布する取組などが行われている。

今回の監察対象所属である中央病院の現地調査では,コンプライアンス推進週間において,県立病院版「コンプライアンスハンドブック」や「チェックシート」を用いて研修等を実施し,服務の根本原則やコンプライアンス基本方針などの周知を図るとともに,平成25年度からは幹部職員により構成するコンプライアンス推進委員会を毎月1回開催し,周知事項の徹底を図っている。

また,院内の各局においては,職場毎の課長補佐会議や係長会議等の機会を捉えて,コンプライアンス研修を実施しており,看護局では,朝の師長会ミーティングにおいて,コンプライアンスの遵守や交通事故の注意喚起を促すなどの取組も行われていた。

さらに,毎月のコンプライアンスの日に合わせて,公務員倫理をはじめ,個人情報の保護や交通安全など,様々なテーマについて,全職員を対象とした研修を実施しており,その実施に当たっては,職員が参加しやすいよう,研修を複数日,複数回の設定としているなど,病院としてコンプライアンス研修に積極的に取り組んでいる姿勢は評価できる。

今回の定期監察におけるアンケート調査においては,科長等職員及び一般職員559人のうち,380人(68.0%)が「昨年度に比べてコンプライアンス意識が向上している」と回答している。

また,「コンプライアンス意識は昨年度と比べて変わらない」と回答した者の中にも,その理由を「元々意識が高い」と回答した者が99人あり,この両者を合わせると,479人(85.7%)がコンプライアンス意識の維持・向上を肯定している。

一方では,「コンプライアンス研修を受けたことがない」と回答した者が28人(5.0%)いるとともに,昨年度に比べてコンプライアンス意識が変わらない原因として,18人(3.2%)が「研修の中身が十分でない」と回答している。

中央病院においては,各職場とも患者等への対応や交替制勤務といった病院業務の特性があるとはいえ,研修参加への取組が不十分なごく少数の職員に対する対策の徹底が求められるところであり,業務の都合等により研修に参加できなかった職員に対しては,必ず個別に指導する必要がある。

(2)倫理条例等は遵守されているか。また、情報管理は適正に実施されているか。

<倫理条例等>

倫理条例等の更なる周知徹底を

 中央病院においては,毎月開催しているコンプライアンス推進委員会で,昨年度に引き続き,今年度も2回,倫理条例等をテーマとした研修を行うとともに,全ての職員を対象としてe-ラーニング研修を実施し,行政事務用パソコンを持たない事務局以外の職員に対しては,紙ベースで研修を実施していることが認められた。
また,中央病院では,病院の1階に張り紙をし,病院職員への贈答品は受け取らない旨を院内外に周知するとともに,送られてくる贈答品については,事務局に集約し,全て返送しており,利害関係者や患者との接し方については十分に注意していることが見受けられた。
一方で,アンケート調査によると,倫理条例等について学んだことがあると回答した者は,科長等職員及び一般職員559人のうち490人(87.7%),倫理条例等に基づく報告・届出のルールを知っていると回答した者は,366人(65.5%)であった。
これは,医師については,講演依頼などで報告・届出をする機会が多いものの,その他のほとんどの職員は利害関係者との飲食の機会がなく,報告・届出を行ったことがないためと推測される。
倫理条例等は,全ての職員が公務員としての立場を自覚し,県政に対する信頼を得るため,当然のこととして守るべき原則の一つであり,職員は職場の内外を問わず,常に県民の疑惑や不信を招くことのないように努めなければならない。
そのためには,倫理条例等を十分理解していない職員に対する指導の徹底が必要であり,コンプライアンス・基本チェックシートの活用やアンケートの実施により,職員の理解度の状況を把握し,職場の実情に合った研修を工夫しながら実施していく必要がある。

〈情報管理〉

情報セキュリティポリシーの浸透を

現地調査では,中央病院は,非常に保護法益性の高い,患者の個人情報を取り扱うことから,独自の「個人情報保護に関する基本方針」を定め,個人情報の適正な管理に努めるとともに,院内に個人情報保護委員会を設置し,患者個人の診療記録の開示請求があった場合への対応を図るなど,個人情報保護に係る推進体制を整備していた。また,今年度の中央病院のコンプライアンス推進年間計画の重点取組事項の一つとして「情報セキュリティ対策の徹底」を掲げており,毎月実施している研修の中で,「情報管理」,「ソーシャルメディアとのつきあい方」をテーマとして研修を行っている。
また,病室で電子カルテに入力を行う場合は,他の患者からカルテの内容が見えないようにするとともに,入院患者には,病室に氏名を表示するかどうか確認するなど,個人情報の取扱いには十分注意を払い,個人情報の漏洩防止に努めていることが見受けられた。
一方,アンケート調査によると,科長等職員及び一般職員559人のうち155人(27.7%)は,情報セキュリティ対策の基本的な方針である「情報セキュリティポリシー」について,その内容を知らないと回答している。

「情報セキュリティポリシー」については,倫理条例等への対応と同様に,職員の理解度を把握し,職場の実情に合った研修を実施し,全ての職員に情報セキュリティポリシーが浸透するよう取組の徹底を図っていく必要がある。

(3)事務処理の誤りの発生を未然に防げる体制となっているか。

業務上の誤りの再発防止に全力を

中央病院は,「県民に親しまれ,信頼される病院になる」を基本理念として,安全で安心な医療の提供を目指しており,中央病院独自の「医療安全管理のための指針」に基づき,院内で発生したインシデント(ヒヤリ・ハット事例(※))やアクシデント(医療事故)の原因や改善策を検討し,その後の事故防止につなげるため様々な取組を行っている。
現地調査によると,インシデントやアクシデントが発生した場合は主治医に報告するとともに,すぐに電子カルテの報告欄に入力し,看護師長等やセーフティマネージャー(※)に報告することとなっており,報告を受けた者は,その原因究明と再発防止策の検討を行い,その結果は「インシデント報告会」や職員向けの院内情報Web(電子掲示板)において職員に周知していることが認められた。
また,院内で発生したインシデントやアクシデントについては,「徳島県立病院医療事故公表基準」が定められており,有識者による第三者機関である「徳島県立病院医療安全対策委員会」で,原因の分析・究明及び再発防止策等の評価・提言を行った後,年1回公表することにより,医療の透明性を高め,医療事故防止に役立てているとのことである。
一方,アンケート調査によると,「業務上の誤り(うっかりミス,ヒヤリ・ハット事例等)が発生したことがある」と回答した科長等職員及び一般職員は559人のうち415人(74.2%)であり,その原因(複数回答あり)については,最も多いのが「業務に余裕がない」264人(63.6%),次に「複数人のチェックを怠った」132人(31.8%),次いで「情報共有ができていない」112人(27.0%)との結果であった。
これは,「業務上の誤りが発生したことがある」とした局長等職員14人のうち9人が回答した「複数人のチェックを怠った」,7人が回答した「情報共有ができていない」との認識ともほぼ一致するものである。
また,「業務上の誤りが発生したことがある」と回答した科長等職員及び一般職員415人のうち,400人(96.4%)は,「改善策を行った」と回答しており,「同僚にチェックを依頼」,「情報共有の充実」などの具体的な改善策を講じていた。
中央病院は,救急医療やがん医療,周産期医療などの拠点病院として,多くの分野で高度専門医療の提供を担っており,業務の一つひとつが患者の生命に関わる職場であり,一旦業務上の誤りが発生すれば,重大な事態を招く場合もある。
アンケート調査等でも明らかなように,病院現場においては業務が多忙な中で,多くの職員がヒヤリ・ハット事例等を経験していることから,危機意識を常に持ち,今後とも,工夫を加えながら,現行の医療安全対策の実効性が一層確保されるよう,不断の取組に努めていただきたい。

※ヒヤリ・ハット事例
患者に被害を及ぼすことはなかったが,日常診療の現場で“ヒヤリ”としたり,“ハッ”とした経験を有する事例

※セーフティマネージャー
各部署において医療安全を推進する担当者

(4)互いに気づきあえる職場環境となっているか。

局長等職員が率先して職場環境の醸成を

中央病院における現地調査では,局長等職員や科長等職員は,職員に対して積極的に朝夕の挨拶や声かけを行い,職員とのコミュニケーションを図っており,職員の様子に変わったことはないか,体調管理ができているかなど,目配り,気配りに努めていることが認められた。
また,中央病院独自の取組として,昨年度から「挨拶推進バッジ」を作成し,全職員が着用の上,職員間はもとより,患者等来院者に対しても挨拶運動を実施するとともに,「あなたの声ポスト」という意見箱を設置し,患者だけでなく職員からも自由に意見等を出せるように取り組んでいることが認められた。
さらに,患者の治療上,確実に関係職員に伝える必要がある事項については,電子カルテ上の掲示板欄に入力し,報告,連絡漏れの発生防止に努めるなど,医療現場独自の取組も見受けられた。
アンケート調査においては,科長等職員及び一般職員559人のうち,477人(85.3%)が「職場内で業務や業務以外について気軽に話し合える環境となっている」,488人(87.3%)が「上司への報告(ホウ)・連絡(レン)・相談(ソウ)はできている」,500人(89.4%)が「職場内で,良い情報だけでなく悪い情報も報告し合える環境となっている」とそれぞれ回答しており,職場内のコミュニケーションが概ね図られている状況が見受けられた。
しかしながら,少数ではあるが,これらが「できていない」と回答している職員がおり,その原因として,自分や上司の「業務の多忙」や,「話(相談)ができる雰囲気ではない」,「職場内で信頼関係が築けていない」などを挙げていることは,看過してはならない点である。
「互いに気づきあえる職場環境」とは,職場内で十分なコミュニケーションが図られつつ,良い意味での相互チェック機能が働き,「悪いことは悪い」とお互いに指摘し合える関係が構築された職場であり,局長等職員にあっては,こうした意識や取組が十分でない少数の職員にも配慮しつつ,全ての職員が意欲を持って業務に当たることができる,より良い職場環境づくりに率先して取り組んでいく必要がある。

(5)臨時職員についてコンプライアンスの取組はなされているか。

全ての臨時職員等にコンプライアンス研修の受講を

現地調査では,局長等職員は,一般職員同様,臨時職員等に対しても,日頃から個人情報の取扱いや守秘義務をはじめ,コンプライアンスに関する指導に努めていることが認められた。
また,臨時職員等においても,忙しい職場ではあるがカルテ等の取扱いにミスのないよう心掛けるとともに,不要な書類はシュレッダーにかけるなど,個人情報の管理について注意を払っていることが見受けられた。
一方で,アンケート調査によると,臨時職員等174人のうち25人(14.4%)が,コンプライアンス研修を受講できていなかった。これは,業務に交替制勤務があることや救急患者への対応などもあることが原因の一つであると考えられる。

 言うまでもなく,臨時職員等についても,地方公務員としてのコンプライアンスが求められるところであり,中央病院においては,臨時職員等が全職員数のほぼ4分の1を占めていることからも,研修を受講できなかった者には個別に指導するなどにより,全ての臨時職員及び非常勤職員が研修を受講できるよう配慮し,コンプライアンス意識の徹底を図っていく必要がある。

2.おわりに

病院局のコンプライアンス体制等の一層の充実・強化を図るため,平成24年度から監察局監察課職員が病院局併任となり,定期監察を行っているところである。
今回の定期監察は,知事部局における監察対象と同様,「『互いに気づきあえる職場環境の醸成』に向けて」をテーマに,「服務管理」全般に加え,相互チェックが機能し,職場内で互いに気づきあえる職場環境となっているかについて監察を行った。
中央病院においては,平成23年2月の不祥事の発生以降,平成23年4月に策定した病院局の「病院不祥事根絶策」に基づき,毎月22日を「コンプライアンスの日」と定め,毎月コンプライアンス研修を実施するほか,様々な機会を捉えて研修を実施し,職員のコンプライアンス意識の向上に取り組んでいることが認められ,その積極的な姿勢は評価できる。
また,患者のカルテ等の個人情報の慎重な取扱いや,病院の医療安全対策についても,原因分析と再発防止策の一連の対策が,体系的・重点的に取り組まれていることが認められた。
しかしながら,前述のとおり,コンプライアンス研修の受講や,倫理条例等の認識が十分でない職員が少数ながら見られるとともに,職場環境の面でも,職場内のコミュニケーションが十分ではない状況も一部に見受けられたところである。
組織として不祥事を起こさない職場環境の醸成に向けては,こうした状況を職場研修の徹底をはじめ,職場全体の不断の取組により粘り強く改善し,不祥事につながる芽を確実に摘んでいくことが求められる。
中央病院の局長等職員にあっては,それぞれの職場の状況を十分に踏まえ,持てるマネジメント力をしっかりと発揮し,全ての職員が意欲を持って業務に当たることができ,互いに気づきあえる職場環境づくりに,今後とも率先して取り組んでいただきたい。

※「資料編」については、PDF版をご覧ください。