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病院の概況

一般的状況と特殊性

1.一般的状況

当院は、県西部における県立病院として、昭和31年1月1日に開設以来今日に至るまで、地域住民に適切な医療の供給を図ってまいりました。 この間の医学・医術の進歩、疾病構造等の変化や少子・高齢化が進展する中で、地域中核病院としての果たすべき役割は逐年その重要性を増しております。 この役割に即応すべく、昭和55年・56年度において全面改修を行い、診療体制の強化と診療機能の充実を図り、 また、平成17年8月29日には救命救急センターを開設し、二次救急のみならず、三次救急にも対応できるよう救急医療の拡充強化を図るなど、 地域中核病院として、地域医療の一層の向上に努力を重ねているところであります。

診療科

内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、脳神経内科、緩和ケア内科、 外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、小児科、皮膚科、泌尿器科、 産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、救急科及び麻酔科の19科です。

病床数

病床数
一般病床 206床 (ICU、HCU、緩和ケア病床を含む)
集中治療室(ICU) 4床
高度治療室(HCU) 6床
緩和ケア病床 20床
結核病床 8床
第2種感染症病床 6床

当院の主たる診療圏は三好市及び東みよし町を中心としておりますが、隣接の美馬市、つるぎ町も診療圏内となっています。

2.特殊性

当院の診療圏の大半を占める三好市及び東みよし町は山間部が多く、若年層の流出と少子高齢化、過疎が進行している地域です。
地理的には、四国の中央部に位置し、国道32号と192号が交差する交通の要衝です。 また、平成12年3月には徳島自動車道が全線開通し、四国4県が高速道路で結ばれたことにより、交通移動の利便性が飛躍的に向上しました。
当院は、県西部唯一の総合的な病院として地域に密着した役割を果たしており、 特に救急医療関係の占める割合が高く、地域的関係から二次救急に加え、三次救急的使命も担っています。

令和3年度三好病院重点事項

~誠実で信頼される病院となる~

1.医療の質の向上

当院は、職員一人一人が、「傾聴」「共感」「尊敬」「感謝」の行動指針のもと、「断らない医療」を共有価値とし、更なる医療技術の向上に努め、質の高い安全な医療や看護を提供することで、「誠実で信頼される病院」を目指しています。
よりよい医療を提供するために、職員が互いに「信頼」し合える、多職種によるチーム創り、チーム医療に引き続き取り組みます。
また、スタッフの資質の向上のため、教育研修を実施するとともに、初期臨床研修医の獲得、認定看護師の育成に取り組み、自立・自律して自学できる「プロ意識」ある職員育成に努めます。
さらに、安全・安心な医療を推進するために、医療安全センターを中心に更なる安全意識の向上を図り、医療安全の徹底に努めます。

2.地域医療の提供

「地域がん診療病院」として、手術・化学療法・放射線治療・緩和医療の専門性の高いチームで集学的医療に取り組み、「フルセットのがん医療」の提供を推進します。
また、西部圏域で唯一の救命救急センターにおいて、「平時より災害時までシームレスな救急医療」の提供を目指すとともに、小児救急医療の充実に努めます。
さらに、「災害拠点病院」として、シームレスにつながる医療提供体制の充実強化のため、人材確保や設備等の整備、DMATの育成・強化を図り、災害時の後方中核拠点としての機能整備に努めます。
「地域医療支援病院」として、地域医療機関との役割分担と連携強化を図り、更なる紹介率、逆紹介率の向上に努めるとともに、病床や高度医療機器の共同利用等を積極的に推進し、地域全体で治し支える地域完結型の医療体制の構築に努めます。
地域を支えるため、人材の確保と派遣を推進するなど、関係医療機関の相互理解に基づく連携協力の下、地域が求める医療の提供に努めます。

3.地域との連携強化

超高齢社会を迎え、住み慣れた自宅や地域で生活や療養をしながら、必要に応じた医療や介護等のサービスが継続して受けられるよう支援するために、地元市町等、関係機関と連携を図り、地域包括ケアシステムに積極的に参画します。
地域において、認知症を含めた高齢者へのより良いケアは重要であることから、更なる院内デイケアの充実に努めます。また、生涯「食べる」ことのできる地域創りを推進するため、在宅高齢者の口腔ケアや口腔衛生管理を支援するなど、「医科歯科連携」に努めます。
さらに、地元自治会と連携した災害関連の訓練や、地域住民を対象とした「生き活き講座」を開催するほか、児童・生徒を対象とした体験講座を充実することにより、地域に開かれた病院を目指します。

4.経営の健全化の推進

「徳島県病院事業経営計画」に基づき、新規入院患者の増加や病床利用率の確保、必要な施設基準の取得など、収入の増加を図るとともに、後発医薬品の使用拡大、医薬品及び診療材料の共同購入を推進するなど、全職員が工夫をして、更なる支出の削減に取り組むことで、安定的かつ継続的な経営基盤の強化を図り、経営の健全化に努めます。