緩和ケアチームは、治療時期に関わらず、患者さんの痛みや息苦しさ・吐き気などの体のつらさや、眠れない・不安などの気持ちのつらさ、仕事や家庭に関する気がかり、経済面への不安、病気になったことの苦悩などに対して症状緩和を目指すチームのことです。入院中の患者さんやご家族の「つらさ」を緩和できるよう主治医や担当看護師と協力しながら支援します。
緩和ケアチームが関わるメリットは、
1.療養場所や主治医を変えずに、苦痛な症状を緩和するための専門的な知識を持った医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などの診療を受けることができる
2.治療と並行しながら、治療に伴う副作用などの苦痛緩和を図ることができる
ことです。
毎週水曜日にチームカンファレンスを行い、介入を希望された患者さんのベッドサイドに、緩和ケアチームのメンバーが伺います。
近年の傾向では、介入した患者数は年間約80名で、介入の依頼項目で多かったのは、疼痛緩和、疼痛以外の身体症状(食欲不振・呼吸困難・倦怠感など)の緩和、地域との連携と退院支援でした。このほか、がん以外の疾患の苦痛症状緩和に関する相談にも対応しています。
「がん対策推進基本計画(平成24年)」において、緩和ケアについては、「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」が重点的に取り組むべき課題して位置付けられています。しかし、まだ「緩和ケアは終末期に受けるもの」というイメージを持っている方が少なくありません。がんと診断された時の不安や心配の相談、今後の治療・療養についての意思決定支援、治療と並行しながら治療に伴う副作用などの苦痛緩和などの支援も積極的に行っていきます。
また、今までがんが中心であった緩和ケアは、がん以外の疾患も含めた、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者さんとそのご家族も、対象とすることが求められています。緩和ケアチームでは、様々な疾病で苦しむ患者さんの症状緩和に対する支援も積極的に行っていきます。
緩和ケアは、がんが進行してから始めるものではありません。がんの治療とともに、つらさを感じるときや困ったことがあるときは、いつでもお気軽にご相談ください。さまざまな専門職のチームで支援させていただきます。また、がん以外の疾患の方の症状緩和の相談にも対応しています。緩和ケアチームの介入を希望されるときは、主治医や病棟看護師へお問い合わせください。