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診療科・部門

放射線治療

放射線治療について

  • エネルギーの高い放射線を病巣部に照射することにより、がんの縮小や消失を期待する治療法です。
  • 近年、放射線治療は、手術・抗がん剤と並ぶがん治療の三本柱として重要視されてきています。
  • がんそのものを治すことを目的とした根治治療から、腫瘍による圧迫や腫瘍からの出血、痛み等の症状を和らげる緩和治療まで放射線治療は幅広い役割を担っています。

放射線治療の長所・短所

長所

  • 放射線では正常組織を残して治療できるため、臓器の形や働きを温存できます。
  • 身体の負担が比較的少ないため、外来通院での治療も可能です。

根治的照射

  • がんの種類・病巣の広がりの程度によって放射線の聞きやすさに違いがあります。
  • 治療期間が1~2か月と長くなる場合があります。
  • 放射線が当たる範囲の正常組織には副作用が出る可能性があります。

高齢者にも優しい治療 -放射線治療の目的-

根治的照射

がんの治療を目的とした放射線治療です。放射線の効果が高いとされるがんや小さながん病巣、手術が困難な部位のがん治療に用いられます。

緩和的照射

骨転移による痛みや脳転移による神経症状の軽減、腫瘍による気管、神経などの圧迫改善、腫瘍からの出血止めなどを目的とした放射線治療です。放射線治療により、患者さんのQOLが高まる可能性があります。

術前照射

手術前に放射線治療を行うことにより、がんを小さくして手術しやすくする目的の放射線治療です。

術後照射

手術後に手術で取りきれず残ったがん細胞に放射線治療を行うことにより、がんが再発する確率を低下させる目的で放射線治療は用いられます。

予防的照射

がんの治療後に、将来的に転移しやすい部位に対して予防的に放射線を照射することがあります。

当院の放射線治療装置

当院の放射線治療装置で使用できる放射線のエネルギーは、 エックス線が4,6,10MV(メガボルト)、電子線が4,6,9,12,15MeV(メガ電子ボルト)であり、病巣の深さに応じたエネルギーを選択することが可能となっています。 また、本装置はエックス線管球とフラットパネルを装備しており、治療台に寝たままでエックス線写真やCT画像を撮影できるようになっています。 治療する直前に治療部位の画像を取得し、その場で位置のズレを補正することにより、より適切な位置で治療を行うことが可能となります。 これにより、正常組織の被ばくを低減することに繋がります。

当院の放射線治療

  1. 当院の放射線治療装置は画像誘導放射線治療(IGRT)が可能となっています。
  2. IGRTとは、実際に治療する直前にX線画像やCT画像を取得することにより、その場で照射位置のズレを補正し照射する治療法です。
  3. 位置合わせの誤差を少なくすることができ、適切な位置に放射線を照射することが可能となります。その結果、正常組織の被ばくも少なくなり、副作用が発生する範囲を小さくすることに繋がります。
画像誘導放射線治療(IGRT)
igrt1
左がCT画像、右がX線画像
igrt2

治療計画時の画像と治療直前に撮影した画像を比較して放射線を当てる位置ズレを修正します。