県から徳島大学病院への寄附講座の開設により、月曜日から金曜日の間、毎日診療を行っています。
現在、急性期脳梗塞に対して発症後4.5時間以内であれば血栓溶解治療であるt-PA静脈内投与が標準的治療であり、これにより症状の進行の予防や改善が立証されています。しかしながら海部地域では専門医の不在のために県中央部への搬送に時間が要することからこの治療を行うことが困難でした。2011年11月1日に地域脳神経外科診療部が開設されたことで毎日の診療が可能になりました。これにより、急性期脳卒中患者をはじめ脳神経外科疾患を24時間受け入れるだけでなく、リハビリなどの機能回復目的で慢性期患者の受け入れも今まで以上に可能になり、地域に根差した診療を行っています。現在、3人体制で、大学の脳神経外科教室やその関連病院医師と協力しながら診療を行います。
特に、2013年2月からはスマートフォンとインターネットを用いた脳卒中などの救急疾患に対しての海部病院遠隔医療支援システム(k-support)を大学病院、徳島赤十字病院、徳島県立中央病院、海部消防組合と協力して構築しました。このようなシステムの医療過疎地域に対しての導入は日本で始めての試みです。このシステムにより平成25年度は5例の急性期脳梗塞患者さんにrt-PA治療を行うことが出来ました。